前回の記事「スマホ内蔵GPS vs DG-PRO1」では、
スマホ内蔵GPSは精度がイマイチという結果でした。
今回のテーマは、
DG-PRO1(GPSレシーバ)とデジスパイスⅣ(GSPロガー)の違いを、
GPS走行解析アプリ(Archive pro)を使用して、
それぞれで記録した走行データを比較、検証したいと思います。
GPSロガー について
GPSロガーには、GPSデータをデバイス本体に保存のみできるものと、Bluetoothで外部出力ができるものがあります。
スマホのアプリと連携するには、Bluetooth出力が必要です。
Bluetoot出力できるGPSロガーには、SPP方式(シリアルポートプロファイル)とLNS方式があります。
SPPは、Bluetooth接続を仮想COMポートとして扱う方式で、メーカー独自の手順や形式で通信します。
LNSは、LNSプロファイルというプロトコルを使う方式です。
ハードと合わせて販売することを想定したSPP、プロトコルに対応したソフトを自由に選択できるLNSといった違いです。
DG-PRO1(SPP / GPSレシーバ)
DG-PRO1 は、最大3つのGNSS群(GPS+QZSS, Galileo, GLONASS, BeiDou)を同時に受信できます。
また、航空機用GPS補強システム(SBAS)に対応し、精度を高めています。
測位のサイクルは、最大18Hz(1秒間に18回)です。
使用にあたり、AndroidアプリDrogger GPSが必要です。
また、バッテリを内蔵していないので、モバイルバッテリが必要です。
DG-PRO1S は消費電力が少ないため、通常のモバイルバッテリでは給電を自動停止することがあります。
紹介するバッテリ ↓↓↓ は、1日十分に使用できて、給電を停止することがありません。
デジスパイスⅣ(LNS / GPSロガー)
デジスパイスⅣは、全地球衛星系のGPS, Galileo, GLONASS, BeiDou、地域衛星系のQZSS(準天頂衛星システム)を同時に受信でき、航空機用GPS補強システム(SBAS)に対応し、GPS精度を高めています。
測位のサイクルは、最大20Hz(1秒間に20回)です。
ロガー本体が防塵防水対策がされていないため、雨や埃が多い場所で使用する場合は、外部アンテナを使用する必要があります。
GL-770(LNS / GPSロガー)
GL-770は、全地球衛星系のGPS, GLONASS、地域衛星系のQZSS(準天頂衛星システム)を同時に受信できます。
航空機用GPS補強システム(SBAS)には非対応です。
測位のサイクルは、最大5Hz(1秒間に5回)です。
走行データの比較
GPS走行解析アプリ(Archive pro)を使用して、DG-PRO1とデジスパイスⅣ、GL-770で記録した走行データを比較しました。
走行データの比較検証は、こちらの練習会で行いました。
DG-PRO1 で記録した走行データ
DG-PRO1を使用して記録した走行1本目の走行データです。
走行軌跡、速度、加速度のグラフともに正確にトレースできています。
主催公式のタイム計測結果との差は0.1秒以内でした。
GL-770 で記録した走行データ
GL-770を使用して記録した走行2本目の走行データです。
走行軌跡はキレイにトレースできていますが、速度、加速度のグラフで不自然な部分があります。
GL-770の更新レートは5Hzで使用していますが、ロガー本体から等間隔(0.2秒)でGPSデータを送られてくるわけではなく、不規則に送られてくることがあり、それが影響しているものと思われます。
主催公式のタイム計測結果との差は0.6秒ほどありました。
これは、計測ラインが1本目の走行データを使用して設定していることと、DG-PRO1とは測位した位置のズレの影響で、計測開始が実際よりも奥になっていると思われます。
これは、計測開始地点の速度に表れています。
デジスパイスⅣ で記録した走行データ
デジスパイスⅣを使用して記録した走行3本目の走行データです。
走行軌跡、速度、加速度のグラフともに正確にトレースできています。
主催公式のタイム計測結果との差は0.3秒でした。
計測ラインが1本目の走行データを使用して設定しているため、ゴールラインの設定が実際よりも奥になっています。
ゴールライン通過後の減速開始位置(赤)に表れています。
走行データの比較表示( vs デジスパイスⅣ)
走行データの比較元をデジスパイスⅣ 、比較先をDG-PRO1で比較表示した結果です。
走行3本目と走行1本目で走行ラインの違いが各グラフに違いが表れていますが、位置のずれはほとんどありません。
GPSロガーの性能は互角といったところです。
デジスパイスⅣで記録した走行データとの比較より
①GPSロガーの性能は互角
走行データの比較表示( vs GL-770)
走行データの比較元をGL-770 、比較先をDG-PRO1で比較表示した結果です。
DG-PRO1で測位した位置とのずれの影響で、計測開始が実際よりも奥になり、スタートライン通過時点の速度に違いがあります。
位置のずれの原因は、航空機用GPS補強システム(SBAS)に対応しているか、そうでないかと思われます。
GL-770で記録した走行データとDG-PRO1やデジスパイスⅣで、記録した走行データの比較は厳しそうです。
GL-770で記録した走行データとの比較より
①DG-PRO1で測位した位置とズレがある
②DG-PRO1やデジスパイスⅣで記録した走行データと比較は厳しい
まとめ
DG-PRO1とデジスパイスⅣの性能は互角で、それぞれで記録した走行データの比較ができることがわかりました。
デジスパイスⅣは、実勢価格が 5万円ほどで高価なため、既に購入済みの人、付属の解析ソフトをメインで使用して、スマホのアプリでも走行データを確認したい人向けです。
DG-PRO1Sは、実勢価格が2万円ほどで、デジスパイスⅣの半額以下で買えるため、新しくGPSロガーを購入する人向けです。
GL-770Mは、実勢価格が2万円を切る価格で性能としては十分です。
防塵・防水で本体にバッテリを内蔵しているので設置、取り扱いに優れています。
GPSロガーを初めて購入する人向けです。
GPSレシーバ(または、GPSロガー)の使用方法
疑似ロケーションアプリを使用して、GPSレシーバ(GPSロガー)と連携します。
GPS位置情報の測位サイクルが 5~10Hz(1秒間に5~10回)のため、速度グラフと走行軌跡の精度が向上します。
DG-PRO1Sの場合は、Drogger GPS(専用アプリ) が必要です。
GL-770Mまたは、デジスパイスⅣの場合は、GPSロガー位置情報中継アプリ(MLS) が必要です。
GPS走行解析アプリ(Archive pro)を使用するには
Andoroid8以降のスマホを用意し、Google Playからインストールするだけで使用できます。
加速度、磁気センサーがない機種は、ピッチ&ロールのグラフが使用できません。
GPSロガ(GPSレシーバ)の使用を推奨します。
今回はここまでです。
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